経営層向け研修/演習自社シナリオで、経営層の危機対応力を検証・強化する

サイバーインシデント対応は、技術部門だけの問題ではありません。

事業を止めるか・再開するかの判断、情報開示の可否とタイミング、顧客・マスコミ・規制当局とのリスクコミュニケーション——その多くは、最終的に経営層の意思決定に委ねられます。本サービスは、こうした「経営判断としての危機対応」を、自社固有のシナリオを用いた机上演習で検証・改善することを支援します。

自社の特定の事業部門等におけるサイバーインシデントの発生を想定し、事業継続(停止・再開判断)への影響や、外部ステークホルダ(顧客、マスコミ等)とのリスクコミュニケーション等を検討・実施する、経営幹部向けのサイバーセキュリティ机上演習の実施を支援します。

本サービスは、サイバーセキュリティ管理部門及び演習対象の事業部門が企画・実施するサイバーセキュリティ演習のプロジェクト支援サービスです。シナリオ設計から当日の運営、実施後の評価・助言までを伴走します。

演習(机上演習)を中心に、必要に応じてサイバーセキュリティ情勢等のインプット(研修)も組み合わせて提供します。

※ 本サービスの考え方は、当社 取締役専務 CTO 鎌田敬介の著書『経営課題としてのサイバーセキュリティ』(2025年8月刊行)の問題意識に基づいています。

なぜ、経営層に演習が必要か

対応は「意思決定」の連続

事業の停止・再開、情報開示、ステークホルダ対応など、インシデント対応の要所は経営判断です。誰が・何を基準に・いつ決めるのかを、平時に確かめておく必要があります。

「想定外」に耐えるか検証する

体制図や対応手順を整えていても、想定外の事態でそれが機能するとは限りません。演習は、計画が実際の判断・連携の場面で通用するかを検証する唯一の機会です。

経営層が「自分ごと」にする

経営層自身が判断を体験することで、サイバーリスクを経営課題として捉え直し、平時の投資判断や組織体制づくりへの当事者意識が高まります。

「訓練」ではなく「演習」

本サービスは、決められた手順どおりに動けるかを確かめる「訓練(Drill)」ではなく、想定外も含めて対応のあり方を見直し、改善点を洗い出す「演習(Exercise)」に主眼を置きます。

訓練(Drill)

  • 完成度を求める(完璧を目指す)
  • 想定内の状況への対応
  • 定められた手順どおりに動けるかを確認

演習(Exercise)【本サービス】

  • 完成度を高める(改善を行う)
  • 想定内/想定外の状況への対応
  • 判断・連携の課題を洗い出し、見直しにつなげる

※ 演習をスコープとしつつ、ご要望に応じて訓練的な要素を盛り込むことも可能です。

演習の狙い・検証ポイント

演習では、自社の状況に即した観点で「対応がどこで滞るか」を可視化します。たとえば次のような点を検証します。

  • レピュテーションリスクへの迅速な対応:情報漏えい事案などで、当事者の立場に立った組織対応を取れるか
  • 事実確認と報告のタイミング:何を・いつ・誰に報告/開示するかの判断と段取り
  • 管理部門・事業部の情報連携:エスカレーションが適切なタイミング・経路で機能するか
  • 事業部門での事象把握:管理部門が、事業部門で発生している事象を適切に把握・指示できるか
演習の狙い・検証方針の一例

想定シナリオの例

シナリオは、貴社の主要事業・主要リスクにフォーカスして個別に設計します。下記は一例です。プロジェクト開始後のヒアリングを踏まえ、より具体的かつ実践的な内容に調整します。

緊急度の高い脆弱性への対応判断

緊急度の高い脆弱性が確認された際、サービスの稼働継続とパッチ適用(停止)のどちらを優先するか。

委託先経由の顧客情報漏えい

業務委託先がランサムウェア被害を受け、自社の顧客情報がダークウェブ上に漏えい。二次被害も発生する中での対応。

主要サービスの停止

DDoS 攻撃等により、自社の主要サービスの提供に影響が発生。事業継続と顧客対応の判断を迫られる。

シナリオの設計にあたっては、誰が・どのような動機で攻撃するのか(想定する脅威アクター)まで検討し、貴社にとって現実味のある状況を組み立てます。

想定する脅威アクターの検討

演習の進め方(当日の流れ)

講師(事務局)から現在の状況説明(状況付与)を受け、参加者はその状況を把握し、対応を検討・実施します。一定時間ごとに新たな状況が付与され、変化に合わせてこのサイクルを繰り返します。

① 状況付与

事務局が新たな状況を提示

② 状況把握・対応検討

参加者が状況を把握し、対応方針を検討

③ 対応実施

指示・報告などのアクションを実施

↑ 状況の変化に合わせて繰り返し ↑

① 状況付与(例)

「当社が運営する Web サービスに関連する漏えい情報が公開されているとの連絡がありました。事実関係を確認中です。本件の対応方針についてご指示ください。」

② 状況把握・対応検討(例)

参加者が「公開されている情報の内容確認」「SNS 上で炎上していないかの確認」などを指示。

③ 対応実施・回答(例)

事務局から「闇サイトに認証情報が公開されている」「SNS で利用者が言及している」等の回答が返り、次の判断へ。

※ 状況付与の内容や進行は、事前のヒアリング等を通じて貴社の状況に合わせて調整します。必要に応じて、サイバーセキュリティ情勢等に関するインプット(事前動画の提供を含む)も行います。

演習で見えること・支援後の改善

本サービスは「やって終わり」にはしません。演習を通じて、平時には見えにくい意思決定と連携の課題を可視化し、次の改善につなげます。

意思決定の課題の可視化

判断が滞る論点や、判断基準・権限が曖昧な箇所が明らかになり、見直すべきポイントが分かります。

報告・連携の目線合わせ

報告・エスカレーションや、顧客・社内外コミュニケーションについて、関係者の間で「あるべき動き」の目線が揃います。

体制・手順の改善点の抽出

現行のインシデント対応体制・手順について、実際の判断の場面に照らした具体的な改善点を洗い出します。

実施後の評価・助言

セキュリティの現場・事案に精通した講師が、演習当日の運営に加え、実施後の評価・分析・助言を行います。気づきを「次の取り組み」へ橋渡しします。

ご依頼前にご検討いただきたいこと

本サービスは、貴社の状況に合わせた個別設計です。お問い合わせ前に以下を整理いただくと、ご相談がスムーズに進みます(未確定のままのご相談でも問題ありません。ヒアリングを通じて一緒に整理します)。

対象とする事業・サービス

演習の題材としたい主要な事業部門・サービス。

想定したいリスク・脅威

特に備えたいインシデントの類型や、懸念しているリスク。

参加者の範囲

経営層を中心に、関係する管理職の同席を想定するか。

実施希望時期

実施したいおおよその時期や、社内行事との兼ね合い。

他サービスとの違い(位置づけ)

経営層の意思決定を検証する本サービスのほか、当社では目的・対象の異なる体験型・実戦型のプログラムもご用意しています。目的に合わせてお選びいただけます。

項目経営層向け研修/演習
(本サービス)
動画を用いた
セキュリティワークショップ
DOJO CORE
主な対象経営層(関係管理職の同席も可)非IT部門〜経営層を含む組織横断セキュリティ対応に携わるチーム
主なねらい危機時の経営判断・意思決定の検証と改善自分ごと化・組織課題への気づき・行動変容状況把握・判断・報告・調査の実戦対応力
シナリオ主要リスクに合わせた完全カスタムの机上演習再現ドラマ動画(既定テーマから選択)情報を限定したブラックボックス型
進め方状況付与→対応検討→対応のサイクル動画→討議→講師解説・振り返りロールプレイ型の模擬インシデント対応
カスタマイズ高(個別設計)中(テーマ選択)中〜高
形式・所要時間集合形式・60〜120分程度オンライン中心・1〜2時間程度半日〜

開催概要

  • 対象:経営層(状況に応じて、関係する管理職の同席も可能)
  • 形式:集合形式を想定
  • 所要時間:60〜120分程度(詳細はご相談による)
  • 支援内容の一例:演習構想の検討(対象事業の選定・リスク分析)、攻撃シナリオの検討、演習実施当日の運営支援、実施後の評価・分析・助言 等
  • 概算価格:演習のスコープ等を踏まえて個別にお見積もりします

まずはお気軽にご相談ください。ヒアリングのうえ、貴社に合わせてご提案します。詳細はこちらからお問い合わせください。

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鎌田敬介 取締役専務 CTO

元ゲーマー。学生時代にIT技術に勤しみ、ネットワークからアプリケーションまで幅広く経験。2002年よりJPCERT/CCでセキュリティを学び、技術のオペレーション、国際連携、海外CSIRT設立支援を経験。経営コンサルティングの現場経験を経て、2011年から大手金融機関でサイバーセキュリティ管理を担当。実務と戦略の両面から金融機関の課題を経験したことをきっかけに、2014年に金融ISACの立ち上げに参画。2019年にArmorisを設立。現在は政府機関を含む複数組織でのアドバイザー業務、経営層向け講演、技術者向けハンズオントレーニングやハイブリッド演習などを通じて、組織の自律的なセキュリティ文化の醸成を支援している。著書に『サイバーセキュリティマネジメント入門』(英語版・ベトナム語版あり)、2025年8月刊行の『経営課題としてのサイバーセキュリティ』がある。